野島水路を守る会の署名文書の内容は以下の通りです。

技術力がないので、「署名用紙」と本文書は「今何故国道が延伸されるのか?」の部分の地図と文章の位置が少し異なります。
但し、内容に相違点はありません。
内容に賛同し、ご署名いただける方は小生にメールにてご連絡ください。正式な用紙を送らせていただきます。

国道357号線の野島水路通過区間の路線と構造の見直しを求める署名

                            

国土交通省関東地方整備局 横浜国道事務所長 殿

 

横浜市に唯一残された自然海岸、また、市民と行政との協働によるアマモ場再生の中心的な舞台として、広く市民に愛着される野島海岸。そして、4本の川が注ぐ豊かな汽水域の平潟湾。野島水路は、その2つをつなぐ生き物賑わう海辺です。野島水路の両岸には干潟が形成され、多くの市民にとって潮干狩りやハゼ釣りが楽しめる憩いの空間であり、アサリを掘って生活の糧とする漁業者にとってかけがえのない漁場です。アユなどの海と川を行き来する生き物の大切な通り道であり、スズキ、クロダイ、シロギス、カレイ類などの稚魚を野島海岸より多く育くむ保育場です。

野島水路には、30年以上にわたって閉鎖されていた時代がありましたが、1994年に完全開削されると、劇的に環境が改善されて多種多様な生き物が戻り、アサリ漁やハゼ釣りが復活しました。都会の目の前で海の生態系が再生した、全国にも例のない「蘇った海」なのです。

ところが今、20年も前に都市計画決定されたままだった国道357号線の延伸計画が、突如動き出しました。道路は、高架方式で八景島から夏島町へ渡り、野島水路の真上を通る計画です。野島沖では、道路の影により再生されたアマモ場や海藻養殖業に悪影響が及ぶおそれがあり、狭い野島水路では、干潟の多くが日陰となり、橋脚による流れの阻害や干潟の洗掘が生じ、生態系への深刻な影響が現れるでしょう。野島水路の生態系が悪化すれば、隣接する野島海岸や平潟湾にも影響が及ぶものと考えられます。そして、野島水路のアサリ漁業は、存亡の危機に直面します。そこで、国道357号の延伸区間2.3kmのうち、野島水路を通過する区間において、次の事項を要請します。

 

【要請事項】

1 いかなる条件下でも野島水路が道路の日陰とならないよう、路線と構造を見直すこと。

2 野島水路の干潟に橋脚建設の影響を一切与えないよう、路線と構造を見直すこと。

3 計画どおりに延伸を強行する場合は、全てのアサリ漁業者に漁業補償をすること。

4 計画どおりに延伸を強行する場合は、代償として近傍に干潟・浅場を造成すること。

 

氏   名

住    所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


《都会の海に愛着する市民と蘇った生態系》

野島海岸は、横浜市に唯一残された貴重な自然海岸であり、また、市民と行政との協働によるアマモ場再生活動の中心的な舞台です。潮が引くと広く干潟が現れて、春から夏には多くの潮干狩り客で賑わい、冬には風情ある海苔ひびが建ち、その先には豊かなアマモ場が茂り、さらに沖にはワカメやコンブの養殖イカダが浮かんでいます。それは、かつての豊かだった東京湾の原風景をとどめるものです。この海岸に愛着する市民団体は、定期的な自然観察や海浜清掃などを18年間も続けており、その参加者数は延べ1万人にも達します。

野島水路には、30年間もの閉鎖されていた時代があります。野島水路が閉ざされていた当時の平潟湾は水が淀み、ヘドロが溜まって悪臭が漂う死の海でした。しかし、1994年に野島水路が完全に開放されると、平潟湾と野島水路の生態系は劇的な再生をとげ、潮干狩りやハゼ釣りの市民でにぎわい、アサリ漁業で生計を立てる漁業者の最も重要な漁場となりました。研究によれば、海水と淡水が混じりあう野島水路と平潟湾では、野島海岸をはるかに上回る数のアユ、スズキ、クロダイ、シロギス、カレイ類などの稚魚が採集されており、多様な魚介類が育つ保育場であることが分かっています。

 

 

《今なぜ、国道が延伸されるのか?》

国道357号線の延伸計画は、20年も前に都市計画決定されたまま放置されていたのに、自然再生が世界的な常識となった今、なぜ、時代に逆行するかように動き出したのでしょうか?平成20929日付けの朝日新聞の報道のように、横須賀への原子力空母配備の見返りであるとの見方が有力です。だとすれば、そのために失われる代償はあまりにも大きく、このままの延伸計画は、到底容認できるものではありません。しかも、道路が通る場所は、アマモ場が再生し、ハゼ釣りやアサリ漁業が復活した、都会の中で生態系の再生が実現した「蘇った海」の中枢なのです。

 

 

《延伸理由への疑問》

 国道を延伸する理由は、海の公園周辺、夕照橋や帰帆橋の渋滞解消のためと説明されていますが、私らの調査によれば、渋滞は5月の連休時と7・8月の週末に海の公園へ押しかける来訪者によるものです。その短期間のために、巨費を投じて、再生された貴重な自然と都会に残る漁業の営みを潰してしまうのは、税金の無駄使いと言わざるを得ません。また、国道が延伸されたとしても、海の公園へやって来る車の数は減るわけではなく、渋滞の解消にはほとんど寄与しないでしょう。

この署名への問い合わせ先      住所 横浜市神奈川区三ツ沢下町 XX-X

野島水路を守る会      代表 XXXXX   電話:XXX-XXX-XXXX 

                            野島干潟の危機へ戻る